それチラシの裏にでも書いてろよ

またの名をクソオタクのクソポエムノート

花の命は長くて綺麗(ももクロさんの明治座に行ったよ)

追記:すっかり失念していたんですが、明治座一部ネタバレです。

事細かにネタバレしているので、その点ご留意願います。

 

 

 

 

 

こんにちわこんばんはおはようございます、筆不精です。
ももいろクローバーZさんの明治座公演にお邪魔してきまして、打つ壁が欲しくて死にそうになったのではてブロ殴りに来ました。序盤から物騒か。

元々友人(昨年 今宵、ライブの下で、関ジャニ∞のオタクがももいろクローバーZの待ち合わせに混ぜてもらった話 - それチラシの裏にでも書いてろよ でドームに連れて行っていってくれたあーりんちゃんを光のファム・ファタールとする、地獄も天国に変えるタイプの女)があーりんちゃん座長の記念すべき公演を観劇する為に遠征に来た際、我が家に泊まりに来たのですが、直前に「当日券」なるものが存在すると聞きまして。
いや、金もないので(本当にマジでない)(関ジャニおじさんツアー真っ只中+洗濯機買い替え+ぶっ倒れて緊急搬送されたのでその間の給料が減)(毎年夏に倒れる女)むちゃくちゃ悩んだんですけど……

 

ももクロさんのアクション、ワンチャン、見たくない……?」

 

という正直なオタクの魂の叫び。まあ従うよね、クソオタクだし。
友人が電話アタックをかけてくれ、無事整理番号をゲット。この時点で入れる気しかしていない私、友人と浴衣着用で明治座へ降り立つ。
……これで入れなかったら、私友人が観劇終わるまで浴衣着てオフィス街で待ってたのか……アホなのか……まあ入れる気しかしてなかったんすけど……気持ちだけは強いんで……。
まあ入れたんすけどね!!!!!!!!!!!!結果が全てよこういうもんは!!!!!!!!!!!!

 

初回観劇はステージ正面、三階席最前列。
手すりで見えにくい部分はありつつもわりと見やすかったです。なによりこの位置、ぐるっと回転していく背景の舞台装置が眺め倒せるんですよね。
いやもーーーーーこれがむちゃくちゃお金かかってて最高だった。ぐるぐる回るたびに背景が変わるの!
人と金の力を感じてマジで最高だった……金のかかった舞台装置、だいすき……(if orのプロジェクションマッピングとか……)(でもステージ上に突如現れるパジェロはよくわからん……)
ただ、恐らく花道へ走っていくと何をしてるのかがなんにも見えなかったり、どうしても手すりで見えにくい位置があってむちゃくちゃ低ーく座ったり、そこそこしんどかったんですよね。


まあね。キメるよね、二回目。するよね、課金。友人、二回目の電話アタック、ありがとう。Z席入ったよ……!


二回目の観劇は一階正面後方。恐らく元々は関係者席で空けていたんだろうな〜という(機材の前だしね)席で、真正面なのでむちゃくちゃ見やすかったです。

 

物語そのものは「ももクロお江戸でござる」といったところ。初めのシーンでは、あーりんちゃん扮するお城のお姫様が、かなこさん、しおりんちゃん、れにさん扮する御女中さんを始め、お城で働く皆さんをお姫様らしいワガママで振り回します。
曰く、「桜の季節にはまだ遠いのにお花見したい」だとか「私よりキラキラしないで」だとか、「私より綺麗にならないで」だとか、「私より目立たないで」だとか。
この「〜しないで」のシーン、御女中三人組が花見の余興を練習する姿を見て声をかけるシーン(それぞれかなこさん、しおりんちゃん、れにさん)なのですが、ひ、姫さま、使用人たちのことめちゃめちゃ見とるやんけ……!
特にれにさんに声をかけた際の「踊り、一番目立ってたよー」とか、相手のことむちゃくちゃ見てないと出てこなくないですか?もうこの時点で「このお姫さまただのワガママお姫さま違うやんけ」だったのでトキメキの導火線はボーボーに燃えていた。


この冒頭のシーン、「あや姫さまはワガママ」と思わせつつ、「お父さん思いで人を見る目もある、存外に思慮深いお嬢さん」という描写もあって、単なる「ワガママお姫様」ではないんだなーという印象も与える大事な部分なんですよ。
ここで「あーりんは反抗期」のお江戸バージョンをキメてくれるのマジでむちゃくちゃ可愛くてサイコーだった。一生反抗期でいて欲しい。あや姫さまのお父さん(つまり舞台となる桃亀藩のお殿様ですね)はお人好しで正直者、民には慕われるものの、なかなか出世できず、藩も財政難。お花見のご馳走にたくあんが出てくる始末。いやたくあん美味しいけどね。

 

ところで桃亀藩の元ネタ、「丸亀藩」は財政難をうちわ作りで建て直したそうで、ジャニーズの現場に入る人間としてはシンパシーを感じますよね……フフ……私あんまりうちわ持たないけど……(拳を突き上げたくなるので……)


そんな父に「娘は娘らしく、危険なことをするよりも花嫁修業をしていれば良い」「いつかお前に見合った良い婿を連れてくる」と諭されるあや姫。
パパ上が娘のことを溺愛しているからこその発言なのですが、自立心の高いあや姫は自分は「小さな女の子」ではなく、「自立した一人の女性である」と反論します。


ここのシーン、女性観がむちゃくちゃ現代的で良かった〜!あや姫は「結婚する事は素晴らしいこと」とは理解していても、「結婚することが女の幸福の全てではない」とも思ってるんですよね。その考え方は古い!と。
それよりも、民に慕われ、自分も尊敬する父の力になりたい。お花やお茶、お料理は「今の自分」にとって必要なものじゃない、と思っているんですが、パパ上からしてみればそれは可愛い一人娘の反抗期のワガママ。
そのうえ忙しい父とはなかなか会う機会も取れず、痺れを切らして田舎から江戸までやって来ていたあや姫は「亡くなった母上もきっとこんな寂しい気持ちだったのでしょうね!」と「あや姫は反抗期」を歌いつつ袖へ掃けていきます。

娘が可愛くて仕方がない父と、父を慕いながらも本人の自立心ゆえに反抗してしまう娘。なるほど主軸はここかと観客に覚えさせます。


次のシーンでは御女中三人娘が「ワガママばっかり!」「絶対友達にはなりたくない」「仕方ねぇ、違う世界のお人だと思えばいい」とあや姫の話をしながら(このシーン、それぞれの「あや姫像」が後々の個々のスタンスの違いを感じてとても良い)夜にお屋敷を抜け出していき、教育係に(半ば無理やり)協力させ、あや姫もお屋敷の外へ。
実は御女中三人娘、夜な夜な居酒屋で働きつつも、松崎しげるさん演じる伝説の忍者の元で修行を積む「くノ一の卵」だったのです……!


居酒屋での修行シーンで三人ともくノ一衣装に着替えるのですが、いや玉井さん脚なっっっっっが!!!!!!!!腰に東京タワー飼ってんのか!?
なんか日に日に長くなってませんか?20日は東京タワーだったけど24日はエッフェル塔だったよ?もしかして改築工事中?横浜駅なのか?サグラダファミリアか?ネバーエンディングレッグやん……。
ていうかZ席入って思ったけど、ももクロさんみんな顔小さすぎん?コンビニおにぎりの方が余裕ででかいと思う。
私の口じゃ一口でペロリなのですが………………どうやってあの面積の中にあんな選りすぐりのパーツを詰め込んでんねん………………情報量が多いわ………………。

 

修行のシーン、個々の得意なことや苦手なことがわかりやすく描写されていて、れにさんは狙いを定めるのが苦手、しおりんちゃんはパワー不足、かなこさんは集中力不足(+人の言う事を聞く気がない)で三者三様に問題児なのむちゃくちゃすこなのですが。
みんな「体術がまだまだへたっぴ」な演技がうめぇ〜!!!剣のシーンもそうだけど、「下手っぴなところから上達していく過程」をきっちり演じてるの、むちゃくちゃすごい。下手くそなフリってできる人ほど難しいのでは……?
ただ百田夏菜子さん、そんなに腰の入った蹴りをキメる新人はおらんと思う。はやく特撮ヒーローになろう。世界を救おう。多分そういう星の元に生まれているので。


抜け出してきたあや姫さまに見つかり、(ここで師匠の黒兵衛さんが桃亀藩のお殿様と顔馴染みである事もわかり)すったもんだの末にあや姫もくノ一修行に参加することに。
「変ですよね、女の子なのにこんな格好で……」とくノ一である事に負い目を感じているような言動を見せるかなさんに「面白いじゃない、かっこいい!私もやりたい!」と言えるあや姫の感覚は本当に現代的。
自分がいいと思ったならそれでいいじゃない!ってむちゃくちゃ元気出るよな……いいよね……。
この後の亡くなった最愛の妻に手を合わせるパパ上のシーンも、パパ上の元にやってくる黒兵衛さんも、母もまたくノ一と知り、「くノ一の修行をする度に亡き母と心の中で会話出来る」と話すも、娘を案ずるが故の父とすれ違ってしまうあや姫もむちゃくちゃ良かった……。
だってさぁ〜むちゃくちゃ「愛」ですよね〜……愛しかねぇ……みんな誰かの事を大事に思ってるんだもん……大事だからこそ空回りしてるんだもん……。
ここまで愛がずーっと空回りしていて、特にパパ上は見てて切なかった……奥様のことも娘の事も民の事も大切にしていて、誠実だからこそ保守的になってしまうの……。


あとこれは超どうでもいいんですけど、互いに砕けた口調で話す黒兵衛さんとパパ上に「これがほんとのおっさんずラブ」を感じました。ここまでの流れ台無しかよ。


パパ上は表立って反対する訳でもなく、けれど賛成している訳でもない。すれ違い故か母の存在があるからか、あや姫の修行にも熱が入り、呼応するように忍びの皆も修行に励みます。
あや姫の「口先だけでなくきちんと努力してやって見せる姿」に、三人娘も「単なるワガママお姫さまでもないのかも」と認め始め、和やかな空気が流れる中、桃亀藩の収める神田の土地とパパ上の失脚を狙う悪徳老中の暗躍により、居酒屋も町の皆もめちゃくちゃに!


こっからが!こっからが怒涛の!アクションですよ!!!!!!!


お姫様の華やかなお着物からくノ一衣装に着替えたあーりんちゃんサイコーーーだな!?!?!?

鎖帷子を模した網模様のインナーを考えた人に金一封差し上げたい。あれ本当に最高だった。縫い目が特に最高。
マリリン・モンローの着用したストッキングのバックシームに近い魅力を感じました。いやほんとありがとう。あれ考えたやつ天才か変態かもしくはその両方だろ。

れにさんに薙刀、しおりんちゃんに鎖鎌、かなこさんに刀持たせたのも大正解大勝利すぎる。わかりしかねぇ。ぜってーーーーー似合うもんねわかるそれな。


かなこさんの殺陣がねーーーーむちゃくちゃ芯が入っててクソかっこいいからはやく特撮作品に出て欲しい。はやく。ヒーローになってくれ。頼む。
しおりんちゃん、本当に「そつなく」という印象なんだけど、細やかな所まで拾っていくので「そつなく」というよりも「全方位において必ず一定レベル以上をたたき出す」という感じ。
これ完全に鳥居江利子さまじゃん(マリみて)(なんでも平均点のスーパーバージョン)
れにさん、マジでずーっと常に姫を「自分たち忍びが守るべきもの」として意識していて、むちゃくちゃ美奈レイやん……!うさぎと美奈レイじゃん……!って感動してた……ずーっと自分の背に姫を守ってるの……。
でも姫の意思もきちんと尊重しているところがマジでむちゃくちゃ月野うさぎに対する美奈レイのそれだったので「そうよ、とっくにわたしは、命を捧げたたった一人の人がいるわ。だからあたしたち、男なんてお呼びじゃないのよ。わるい?」って言ってくれ……(美奈レイを引用するクソオタク)
あーりんちゃんの殺陣、運動苦手って本当?ってくらい綺麗で、強いて言えば「あや姫さま、どちらかと言えばパワータイプなのかな?」と思ったくらい。
敵に追い詰められるシーンでも凛としていて「姫君」をむちゃくちゃに感じました……ノブレス・オブリージュの風が吹いとったわ……。


元々私はこの一連の流れで「あーりんちゃんを背に守りつつ体幹を揺らすことなく敵を蹴りつけるれにさん」が見たくて当日券とったんですが、それぞれあや姫を鼓舞しながら戦うくノ一三人娘ちょうかっこよかった〜……!
百田夏菜子さん体幹のブレがなさすぎて、スッ……と真っ直ぐにしゃがみ、スッ……とそのまま真っ直ぐに立ち上がるもんだからエレベーターかと思ったもんな。
とにかく四人の大立ち回りがむちゃくちゃかっこよくて、(オラキオさんのアクションもかっこよかった!)でも彼女らの剣は「殺めるための剣」ではない、というのが、優しい物語だな〜って……普段人が死にまくるもんばっか読んでたから余計に染みた……「だがコイツが許すかな」って斬り殺さないもん……。


そうして悪徳代官を成敗し、桃亀藩には平和が戻り、悪徳代官も心を入れ替え、春と共に本物の桜が咲きます。
パパ上は出世したし、あや姫さまはすっかりと大人の女性になり、大団円。
このラスト、作中冒頭で余興の為の練習にて投げやり気味に歌われた「花の命は短く綺麗」という歌詞が、「花の命は長くて綺麗」と歌われたことにむちゃくちゃ泣けてしまった……。


このお話、お江戸アクションコメディではあるんですが、少女からの脱却でもあるわけじゃないですか。
父の言う「良い子の女の子」から「自分で物事を判断できる大人の女性」への脱却なわけで。


そんな物語のラストで、アイドルである彼女らが満面の笑みで歌う「花の命は長くて綺麗」という歌詞、むちゃくちゃ染み入ってしまった……。
そうだよ、短くなんかないんだよ、自分の理想を体現しながら生きる人はいつまでも輝いていて美しいんだよ。


後述する曲で私はジャニー喜多川氏を思い返すなどしていたのですが、そういえばジャニーさんは「少年は大人になれるが、大人は少年にはなれない」と物語の中で語っていたんですけども。
そう、子供は大人になれるけど、大人は子供にはなれないんです。
でもそれって全然悪いことなんかじゃなくない?大人になるって素敵じゃん!と「大人になった私たち」を肯定してくれてるみたいで、それが嬉しかったのかな〜私は。
大人を肯定してくれてる彼女たちもまた、「元気で可愛らしい女の子たち」から「綺麗な大人の女性」になっていっているわけで。昨年のドームでもびっくりしたんですけど、以前の「元気が良くて動きまくる女の子たち」ってイメージが色濃かったせいか、大人の女性としての立ち振る舞いをする姿に新鮮に感動しちゃうんですよね。親戚か?


「綺麗な大人の女性」へと進化していくももいろクローバーZさん、来年はどんな女性になっているのかな。
友人の言った「いつだって最新作が最高傑作」という言葉、彼女たちはずっと未来向きの今を生きているのだなぁと思いました。
などと書いていたら私がベロベロに泣いて顔面を溶かした二部まで入りませんでした。二部編に続く!(はず!)